四節 これから8

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「じゃあ、この場を引いてくれるだけで良い」 「ふざけたことを!」 セシルの説得を弾くかの様に脚からの技が旋回する。 その攻撃はセシルの顔をかすめる。 「!」 それだけでも外れたとは思えないほどの威力だ。セシルは小さな悲鳴を漏らす。 「ならば!」 太刀を横に薙ぎ、何とかヤンを後退させる。 同時に自分も後方へと下がる。距離ができた。 接近戦に持ち込まれなければ多少の余裕は生まれるであろう。その間に体力を回復しつつ、策を練ろうという 企てであった。 しかし、セシルは誤算をしていた。モンク僧は遠距離に於いても攻撃の手段を持っていることを…… ヤンは地面を蹴り、勢いをつけ脚を前面にして飛びかかってくる。 威力こそ通常の蹴りに比べると落ちるが、加速をつけたその攻撃の効果範囲は広い。 生半可な回避行動では逃げ切れないであろう。 迷っていては駄目だ! 覚悟を決めて強襲するヤンを剣で迎え撃つ。 防御しても今のセシルにはマイナスに働くだけだ。それならばいっそ打って出よう。そう判断した。 咄嗟の決断であったが、一応の成功を成した。 剣先を振るった一撃にヤンは直撃し、大きく後ろへと跳ね返った。 「やっとやる気になったようだな……」 受けた傷を抑えつつ、顔に笑みをつくる。

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