四節 これから11

「四節 これから11」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

四節 これから11」(2007/12/14 (金) 04:43:27) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

「は?」 片割れの兵士が疑問とも自問ともつかぬ声を上げる。 無理もないであろう。普通は叱りの声が飛んでくると思ったのだろう。しかし、実際は咎めなしどころ か安堵に近い声を漏らしたのだから。 その上、声の調子が急に変わった事も彼を驚かせた要因の一つであった。 疑問の暇も無く、彼にはもう一つの災いが降りかかる。 急に視界が回る。 今まで町を見ていた目が、今は空を見上げている。 「これは……」 自分がヤンの足払いを受けて転ばされたと気付いたのは、地面の体が付いた後であった。 「あぐっ!」 「ヤン……様! これは一体どういうおつもりなのですか!」 痛みに呻く彼の代わりにもう一人の兵士が疑問を代弁する。 「見ての通りだ。今を持って私はバロンから抜けさせてもらう!」 「裏切るというのか!」 「そう取って貰って構わない」 「く……」 しばらく考えていたのだろうが、やがて意を決したかのように剣を抜く。 「ここで引くわけにはいかない……」 その声に呼応するかのように、救援に表れた他の兵士達も剣を抜く。 「あなたがいくら凄い実力を持とうが、今は随分と疲弊している。それにもう一人も……この数を相手に して勝てますかな?」 見る限り兵士は五人。それも近衛兵である。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。