三節 光を求めて15

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「それであのお嬢ちゃんは?」 テラがテントの方に眼をやる、リディアの事を言っているのだろう。 「それは……」 ミストの事を話すべきだろうか?だがなかなか言い出せなかった。 「さん……お母さん……」 セシルがそんな事を悩んでいるとテントから声が聞こえてきた。 「リディア……」 やはり明るく振る舞っていてもミストの事がまだ…… 「ミストの召喚士です、そしてこの娘の母は僕が…………」 セシルはそれだけ言い後は何も言わなかった。 「そうかやはりミストは……悪いことを聞いてしまったようじゃな」 そうセシルに言った後テラは厳しそうな顔でリディアを見て呟く。 「しかし召喚士とはなそれにかなりの資質を秘めておる」 そして今度は顔を緩めてこう続ける。 「しかし可愛い寝顔じゃ……幼い頃のアンナのようじゃ」 そう呟くテラにはセシルは出会った時に感じた寂しそうな顔をしていた。 「そのアンナという人は確か……」 その表情を見てセシルは思わずテラに訪ねる。 「そう私の唯一人の娘じゃ、吟遊詩人に騙されたというのは嘘でな本当は自ら出て行ってしまったんじゃ」 「何故アンナさんはそんな事を?」 「アンナとその吟遊詩人は愛し合っていた、だが私が二人の仲を許さなかったばかりに……」 テラもセシルも何も言わなかった。

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