一節 刻む足跡7

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飛空挺の編隊は段々と遠ざかっていき、ついには雲に隠れてそのまま見えなくなってしまった。 大空には、ぽつんとエンタープイズが一つ浮遊し、プロペラが大きな音を立てて回っていた。 その甲板、既に昼が終わり、もうすぐ夜がやってくるであろう時間の日に照らされた甲板はすっかりと 消沈していた。 「どうするのだ……」 シドが訪ねる。 飛空挺は彼の指示で動いている。いざとなれば自分の命令で船を動かし、追跡する 事も出来たであろう。それをセシルに聞いてくるのだ。彼も判断に困っているのだろう。 「トロイアにいくしかないだろう……」 カインがゴルベーザの元に動いているとしても、簡単にローザに危害を加えるとは考えづらい。 おそらくは、ゴルベーザの欲する、クリスタルを確保させるまでは、ローザの身は安全であろう。 「そうだな」 カインとの間に多少の親交があったシドも同感だったのだろう。 「だが、トロイアにまでいくには少し準備がいるな」 「準備?」 「元々、長い間地下に閉じこめておった船だからな。すぐに飛べるようにはしたものの、それでも、 長期間の飛行をするのはちょっと厳しいのだ」 「そうか」 「なので、一旦着艦するぞ、それでいいか?」 「ああ」 セシルは頷く。 「テラ、ヤン。いいか?」 「はい……」 ヤンが答える。テラも無言ではあるが、頷いた。 今の状況に対し、深い理由を知らない二人は既におまかせといった感じだ。 「では! 一時帰還じゃ!」 シドの叫び一声で、エンタープライズはバロン城へと舵を取った。

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