一節 刻む足跡25

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「では、お前はあの子達を見捨てるというのか!」 テラの怒りは当然だと思う。自分の意見が絶対的に正しいとも思えない。 「だけど、どうする。今長老は、祈りの塔にいる。今は待つことしかで きないじゃないか……」 「…………」 テラは黙り込んでいた。何も言い返さないのは、言い返せないのか、はたまた 何かを考えているのか。 「ひょっとすると、長老にとっても今はとっても大事な時なのかもしれない。 あの二人の命以上に……」 「なんじゃと!」 テラは少し怒ったような声を出した。 「他にもいいやり方をあやつなら知っておるかもしれんぞ」 テラがそう返した。 何にせよ、セシルの決断は一つであった。 「悪いけど、もうこれ以上は待てない。後少ししたら、シドに発進の準備を してもらうよ」 それだけ言い残してセシルは足を速めた。 ミシディアからバロンに向かってから、まだ数える程の日数しか経っていない。 未だに自分を受け入れない人間も多くいるだろう。 ジェシー。それに長老すらもまだ迷いがあるのだろう。そんな場所に長居をしたく ないという考えもある。 そして、テラの前で言ったとおりの事。今、二人を救う事が本当に今の最優先事項なのか。 「人一人には出来る範囲、つまりは限界というものがある。それ以上の事をしようと すれば何も出来なくなってしまうのではないか……」 救いきれないもの。やり切れないもの。捨て置かなければならないもの。 誰にでもそのようなものはあるのではなかろうか。 数多くの目的や願望から、僅かな一つを選ばなければならない時が あるのかもしれない。 そして自分は何をすればいいのか。簡単に答えなんかは出ないはずだ。

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