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直後、彼の体を締め付けるものが一つ。
「!」
そして締め付けられた本人は声にならない悲鳴を上げる。
何とか脱出して体の自由を確保しようと悪戦苦闘するも束縛の力はなおも勢いを増していく。
その間に、この締め付けの正体を探ろうと、そぎ落とされる体力を振り絞り視線を巡らす。
体に巻き付いた長く太いもの、そしてそれの終着点には今の彼の最も恐怖する存在が。
ではこれは……
結論を導き出した時、彼と向き合うように顔を見せるものが一つ。
恐怖の対象その左腕から伸び、彼の動きを封じる先端部分。
彼をあざ笑うかのように見据える顔は絶望しきった心を打ち砕くには充分すぎる程の効果があった。
「あああああああああああああああっっっっっーーーーーーーーーーーーーー」
絶叫。
直後、彼は気を失った。
だが、これはむしろ幸運な事だったのかもしれない。
これから先、襲いかかる更なる仕打ちを苦しまずに終える事ができるのだから。