四節 これから40

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「思えば、あの時……セシルさんが国を追われて以降……」 セシルに対する謀反疑惑。立て続けに入ったミストでのセシル死亡報告。 根も葉もない噂であり、確証もない。矛盾しあう二つの事実を特に疑いもせず、それどころか 簡単に信じ、受け入れた王。 逆らう者を次々と処罰していく王。 ゴルベーザという謎の男の重用。進む他国への軍事侵攻。 気づいた頃にはすでに彼女の知っている国とは様相が変わっていた。 ミストへのセシルとカインの出征。 あそこからすべての歯車が狂いだした。 「セシルさん……帰ってきてください……」 別にセシルが帰ってきたからといって現状が覆るとは限らない。 だが、今の彼女は何かにすがる事でしか平静を保っていられなかったのかもしれない。 「今の……今のこの国は何処かおかしいんです。あなたさえ、あなたさえ帰ってきてくれれば」

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