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「それにしても……」
どうかしてるなと自分にため息を一つつく。
そんなに休養をとっていないわけではない。ミシディアを旅立つ前日にはゆっくりと休んだ。
あれからまだ二日。それも時差の関係上自分にとって時間は一日しかたっていない。
それなのに変な、といったら失礼かもしれないが奇妙な夢をみるなどとは。
本来セシルは夢をあまり見ないのであった。
いつも寝床に伏し、気づいたら朝になっている。いつもそんな目覚めであった。
だが、バロンを離れてから、時々だが夢を見るようになった。
それでもこんな夢は見たことがなかった。
そして今まで見たことの無い夢を見てしまった事がセシルに妙な不安を抱かせていた。
「取りあえずは外に出よう……風にでもあたろう」
そう思い、外へ出ようと歩きだす。が、途中僅かに開いた扉から明かりが漏れているのを発見した。
「レッシィか」
扉を覗く前から確信が持てた。
そしてやはり、その部屋にはセシルの予期した通りの人物が
中央の机に備え付けの椅子に座っていた。
「起きてたのか……」
わざわざ、話しかけなくてもいいと思ったが、もう一度寝直すのはできないと思った。
皆が起きるまでもう少しだけ時間がかかりそうでもあるし、時間を持てあますよりはいいと
判断し、部屋に入室した。
「あら……でも、もう早朝といってもいいでしょうし……」
よく見ると、窓から見渡せる風景は既に暗闇が薄くなりつつある。
しばらくせぬ内に静まりかえった町に活気が返ってくるであろう。
「いつもこんなに朝が早いのかい……?」
何気なく聞いてみる。するとレッシィは少し考える仕草をした。
「う~ん……こんなに早起きするようになったのは極最近になってからです。とは言っても
今までも、お父さんと二人で暮らしてましたからね。基本的には早起きですよ」
最近というのはいつだろうか? 彼女の生活に変化がおきたということだろう。それは……
「やっぱり気になるのか?」
日常に起こった変化。ためらいつつも、セシルは訪ねる。
「お父さんですか……そりゃあ、やっぱり気になりますわよ」
セシルはシドの事とは言わなかったが、彼女は直ぐに何を聞きたいのか分かってしまった
ようだ。
「でもね……心配ばっかしてても仕方ないですから。お父さんは昔から無茶を
する人だったけど私やお母さんを悲しませる人ではなかったからね」
元気な娘だ。そこには無理に意志を保っているような気配は感じられない。
さすがは豪快な飛空挺技師であるシドの娘といった所か。多少の事でへこたれはしない。
「それにしても……」
どうかしてるなと自分にため息を一つつく。
そんなに休養をとっていないわけではない。ミシディアを旅立つ前日にはゆっくりと休んだ。
あれからまだ二日。それも時差の関係上自分にとって時間は一日しかたっていない。
それなのに変な、といったら失礼かもしれないが奇妙な夢をみるなどとは。
本来セシルは夢をあまり見ないのであった。
いつも寝床に伏し、気づいたら朝になっている。いつもそんな目覚めであった。
だが、バロンを離れてから、時々だが夢を見るようになった。
それでもこんな夢は見たことがなかった。
そして今まで見たことの無い夢を見てしまった事がセシルに妙な不安を抱かせていた。
「取りあえずは外に出よう……風にでもあたろう」
そう思い、外へ出ようと歩きだす。が、途中僅かに開いた扉から明かりが漏れているのを発見した。