三節 光を求めて19

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「ありがとうテラ、今の魔法は一体?」 テラの元へ駆け寄りそう訪ねる。 「なあーに少しばかりの賭けじゃよ」 「賭け?」 「そう忘れていた魔法を使えるかどうか試してみたんじゃ」 「忘れていたとは?」 セシルは訪ねる。昨日からこの老人には質問してばかりだ。 「年のせいか物忘れが激しくてな、昔は使えたはずの魔法が思うように使えなくなってしまったんじゃ」 テラは笑いながらそう言った。 「そうですか」 そんな事ができるとは全く持ってすごい人だ。セシルは少しばかり感心する。 「私もまさかここまで上手くいくとは思わなかったわ」 そう言って大きな声で笑う。 「よし出発じゃ、もう少しでダムシアンだぞ!」 そう言ってテラは立ち上がって湖の向こうに見える出口へ駆けていく。 「本当に元気ね」 リディアが笑いながら言う。 「ああ」 セシルは半ば呆れながらそう言った。 「早く追いかけよう。あのままじゃ置いて行かれそうだよ」 「うん」 そういって二人はテラの後を追いかけていった。

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