三節 光を求めて21

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それから3人は、一羽のチョコボに乗ってダムシアンを目指した。 いくらなんでも一度には一羽しか召喚できないので、仕方なく3人で乗ることにしたのだ。 流石に重過ぎるのか、チョコボは時々危なっかしくよろめき、いかにも辛そうだったが、 しかしそれでも随分速い。出発して2時間といったところだが、もうダムシアンまでの距離の半分は走破していた。 「日暮れ前に到着できそうだね。それにしても速い!」 「でしょ~?ね、ところで、ダムシアンってどんな所?」 「ああ、とっても平和な所さ、リディア。  住んでいる人々もみんな温厚で優しくてね。特に王子のギルバ…」 セシルとリディアがそんな話をしていたその時、彼らの乗るチョコボよりも遥かに速い何かが頭上をよぎった。 セシルは思わず、上空を見上げた。 この音。かつて嫌と言うほど耳に飛び込んできた、この音。 それは紛れもなく、飛空艇のエンジン音だった。 飛空艇は彼らに構うことなく、一直線にどこかへと向かって行く。 彼らと同じ方向へ。つまり、ダムシアンへ。 そう、四つの内の一つのクリスタルがある、ダムシアン城へ。 「…まずい!」 セシルが叫ぶ。 ダムシアンのクリスタルを狙っているとするなら、ミシディアやミストと同じ惨劇がくりかえされることになる。 それはなんとしても避けたい。 「奴らはダムシアンのクリスタルが狙いだ!  リディア!急いでくれ!このままだと大変な事になる!」 セシルの鋭い叫びにリディアは驚き、チョコボもまた、それまでよりも速く砂の大地を駆け始めた。 その約一時間後… ダムシアンの城は眼前に写る頃には、そこは既に大部分が原型を失っていた。 城としての面影はなく、所々が火の海と化している。 目を凝らすと、去っていく飛空艇の点のような姿が見えた。

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