FF6-リターナ本部13

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 その時、入り口付近から重量のある物体が床にぶつかったような、 鈍い音が皆の耳に届いた。 「何じゃ?今の物音は…」 反射的に全員が入り口へと向かう。 そこには背中に酷い傷を負った見張りの兵士が倒れていた。 荒い息をつきながら、懸命に身を起こそうとしている。 「た、大変です!バナン様。サウスフィガロ、が…」 「おい!何があったんじゃ!?」  駆け寄ったバナンが抱き起こすと、兵士は苦痛に顔をゆがませながらも、 顔を上げた。 「帝国が、こちらにむかっています。サウスフィガロは恐らく…」 「気づかれたか…作戦を急がなくてはならん!」  バナンは舌打ちし、エドガーを振り仰いだ。エドガーは黙って一度頷く。 「ロック!」  エドガーの声にロックが弾かれたように立ち上がる。 「わかってる。サウスフィガロで内部から敵を足止めするんだろ?」 「お前の特技を見込んでのことだ、頼んだぞ!」  エドガーは手元に置かれていた短剣をロックへと放った。 それを空中で受け止めて腰のベルトに収めると、 階段を数段下りた所でロックはティナの方を振り返った。 「ティナ!俺が戻るまで大人しく待ってなよ。 特に、手が早いので有名などこかの王様には気をつけろよ」 「ロック!一言多いぞ、お前は…!」  エドガーが蹴る真似をすると、ロックは軽く笑いながら、 じゃあな、といって素早く身を翻した。出口へと姿が消えるのを見送りながら、 マッシュは半ば呆れたように付け加えた。 「兄貴…まだそのクセ直ってないのかい?」

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