SubStory 2 nao chora mais(1)

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偽のバロン王との対決──そしてバロン王国の解放を明日に控えた日のこと。 セシルはヤンやテラと共に、城に入り込む手筈を相談していた。 地下水路の出口から玉座へ至る最短経路。シドが囚われているかもしれない地下牢の位置。 いざというとき、内側から門を開ける方法。万が一にもはぐれた場合の集合箇所。 大筋が決まった頃に、子供たちがいる台所から、何かを打ち付けるような音が聞こえたのだった。 「どうした!?」 兵士が踏み込んできたか、最悪魔物の襲撃かと、あわてて駆けつけたセシルたちの目の前で、激しい争いが繰り広げられていた。 ──ただし、恐れていた状況ではなかったが。 「よくもやったな!」 「そっちこそ!」 ひっくり返った丸椅子の向こうで、半泣きのパロムとポロムが取っ組み合いを演じている。杖もロッドも放り出し、互いの髪や服を引っ張り合うのに夢中で、セシルたちには気付きもしない。 「よすんだ、ふたりとも!」 状況が飲み込めないまま、とにかく割って入るセシル。そこへ、 「あんちゃん!」 「セシルさん!」 この上なく切迫した顔の二人が詰め寄った。 「さきほどは申し訳ありません!  もう平気ですわ、今度からはちゃんとやりますから!」 「さっきのはなんだよ!  どうして普通のやつらまでやっつけちまうんだよ!?」 「……落ち着いてくれ、ふたりとも!」 セシルの左右から正反対のことを訴えて、困惑する彼を置きざりに、そっくり同じ顔を互いに突き合わせる。 言い争っているのは、多分……いや、間違いなく、昼間の戦いのことでだろう。 セシルらが、魔物ではない、同じ人間と命を奪い合う様に、二人はひどく動揺した。見境ない行動で、全員の危機を招くほどに。 四半日経った今もそれは尾を引いて、双子の意見を真っ二つに切り裂いていた。

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