SubStory 2 nao chora mais(2)

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「わがままばっかり言うんじゃないわよ!」 「勝手に決めるなよ!」 口論を再開したふたりを、テラとヤンが引き離す。それでも双子の興奮は覚めず、足をばたつかせて言い争いを続けた。 「セシルさんだって、やりたくてやったわけじゃないのはわかってるでしょ!!」 「やりたくないなら、やらなきゃ良かったじゃんか!」 「そんな虫のいいことできるわけないでしょ!!」 「じゃあ何のためにパラディンになったんだよ!!」 宙に抱え上げられながら、双子の喧嘩はなおも続く。 彼らなりに事実を受け止めようともがく子供らに、かけられる言葉をセシルは見つけだせなかった。 「わたしたち、セシルさんのお手伝いをするために来たんでしょ!?  邪魔しに来たんじゃないでしょ!」 ヤンの腕から解き放たれ、ポロムが床に飛び降りる。テラの戒めを振り切って、パロムがそれを迎え撃つ。 「そんなこと、言われなくてもわかってるよ!」「だったらちゃんとやりなさいよ!」「うるさいなぁ、ポロムにゃわかんねーよ!」 「……パロム!よせ!」 今はセシルにもいくらか状況が飲み込めた。だから彼は”パロムを”止めようとした。 「白魔道士のくせに!!」 彼は、言ってはならないことを言おうとしている。セシルにはそれがわかる。 「どうせポロムは、みんなにケアルするだけだもんな!  やっつけるのは、オイラたちなんだぞ!  ひとに全部やらせといて、自分だけいい子ぶるなよ!」 『ありがとうローザ。だが僕は暗黒騎士』 丸く見開かれたポロムの目に透明な粒が盛り上がる。それがこぼれるより早く、彼女は爆発した。 「パロムのばかぁぁぁっ!」 ほとんど体格の変わらぬ双子の弟を突き飛ばし、引きとめようと伸ばしたヤンの手をすり抜け、突進するポロム。流しの脇の勝手口に体当たりすると、もとから半開きの扉はあっさりと彼女の通行を許可した。 「言い過ぎじゃ、馬鹿者」 尻餅をついたパロムが、テラの拳骨を喰らっている。代わりにセシルがポロムを追った。 ──ボクハアンコクキシ 手を汚すことのない君とは違う──

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