五節 忠誠と野心5

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カイナッツオォと名乗ったその者には。既にセシルが倒していたスカルミリョーネよりも自らの 強さを誇示するかのような口ぶりであった。 「ぬぐっぉおお!」 完全に壁と一体化した王――カイナッツォは少しの間が開いた頃、かけ声があがった。 同時に壁を突き破るかのように、腕が再出現する。 やがて、壁から全身を表し、その全貌が明らかになる。全身が青色の甲羅を装着し、四隅から手足 を表し、先端部に顔を覗かせる、その姿は亀のようであった。 「これがお前の真の姿か……!」 「そうとも!」 堂々と言ってのけた途端、急にカイナッツォの体周辺を取り囲むように何かが出現する。 これは…… セシルは驚かざるを得なかった。 何故か、周りには全身を包み込むかのように水柱がわき上がっている。 水をいきなり発生させる、これが水の四天王の力だというのか。 「気を付けろ!」 後ろでテラの声が聞こえる。 振り向くまでもなく、既に戦闘の準備に移っている事は分かった。 テラはあれが攻撃の準備であるといいたいのだろう。 セシルにもそれは分かっていた。 来る! 予兆した時には、カイナッツォの周囲の水――水の鎧とでも形容すべきものは、怒濤の勢いをつけて 目の前にいるセシル達に迫る。 「!」 その時の意志を何か声にして出そうが上手くはいかない。 思考を張り巡らせようとした時には既に、津波は無情にもセシル達を飲み込んでいた。
「ですが、行くのなら……」 ヤンは何かを言おうとする。 突然、足音が聞こえた。 そしてその音はだんだんと大きくなっていく。 「誰か来る……」 そう判断し、身を隠そうと辺りを見回すが、咄嗟の出来事であった為、 その間にも足音はこちらへと近づいてくる。 (まずい……) 身を隠すには時間が無いと悟ったセシルは剣を抜こうとした。 「!」 曲がり角からやってくるその影には見覚えがあった。 「ベイガン……」 意外な人物の登場にセシルは立ちつくした。

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