六節 双肩の意志6

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六節 双肩の意志6」(2008/08/22 (金) 13:35:33) の最新版変更点

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気付いた時の風景は先程と大して様変わりはしていなかった。まだ動ける。体の無事を確認し、辺りを見回す。 「みんな無事か!?」 一瞬、以前津波に襲われた記憶が思い出される。 ファブールからバロンへ向かう航路の際、魔物に襲われ、そのものの起こしたであろう津波に飲み込まれた。 結果、セシルは仲間と別れ、遠き地に流される事となった。苦い記憶が頭をよぎり、自然と仲間の安否が気がかりに思った。 「大丈夫だ!」 テラの強い声が返ってくる。見ればポロムとパロムも一緒だ。 (ヤンは……?) 「セシル殿……」 そう思い、新たに視線を逸らそうとすると、近くから自分を呼ぶ声がする。 「ヤン。良かった。無事か……」 「セシル殿は……大丈夫でしょうか?」 「ああ……僕はこの通り」 「違うのです……」 「え?」 体の無事を聞いてきたのだろうと思ったのだが……違うのか? 「あのものは王ではありませんでした……ならば本物の王はもう……」 それはセシルも承知であった。 「そして王を手にかけたのは、おそらくあの者でしょう……」 一息おいてゆっくりと告げる。 「セシル殿はそんな者、相手に戦えるでしょうか……という意味です」 おそらくは、最前のセシルが怒りを表したのを見て危惧したのだろう。 「此処は私達にだけ任しても……」 「いや、いい」 セシルはきっぱりと言った。 「そんな相手だからこそ自分で戦わなきゃいけないんだ。安心して……決して怒りに支配されたりは しないから」 ヤンの心配する所はそこなのだろう。 「本当に倒すべき相手はまだ此処にはいない。それまでは」 「わかりました」

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