三節 光を求めて23

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「アンナは!アンナは何処におる!」 そう叫ぶテラの顔は、普段のものとはまるで違った。その様子に、セシルとリディアは顔を見合わせる。 恐らく、この攻撃の激しさでは生きてはいない… セシルは勿論、子供のリディアにもそれは分かっていたが、取り乱した老人相手にそんなことを言える筈も無い。 そうしている内にテラは「アンナを助けねば!」と叫び、城の中に走って行く。 「ま、待ってください!」とセシルが慌てて彼の肩を掴むが、彼は「うるさい!」と怒鳴って老人とは思えぬ力でその腕を振りほどき、 これまた老人とは思えぬ力で瓦礫の山と化した城を走り抜けて行く。 「アンナ!わしじゃ!テラじゃ!いたら返事をせい!」 そんなことを叫びながら、テラは血の匂いが漂う城内をくまなく探して行く。 「待ってくださいテラ!貴方の娘さんは恐らく、もう…」 セシルもリディアを背負って後に続く。 そうして城の上層までたどり着いた時、 彼らは内心少し覚悟していた、しかし一番見たくなかった光景を目の当たりにした。 一人の女性が胸から血を流して倒れていた。

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