六節 双肩の意志22

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気付いた時には…… もはや以前の半分以下になった控え室に、セシルは立ち尽くしていた。 テラもシドもヤンも呆然としながらそこに立っている。 そして……部屋の両脇の壁には……満面の笑みを浮かべた二人の子供達の姿。 決して動く事無く、決して表情を――喜怒哀楽の激しかった二人の――変化させぬ子供達の姿。 全身は固く冷たい。だけどそこに内包されるものは誰よりも温かい。 黒魔法ブレイク。 対象者の体を内部から硬化させ、最後には全身を石塊にしてしまう魔法。 一度術が成功すると、その対象者は治療魔法。例えばエスナなどの魔法をかけられぬ限り、 元に戻る事はない。 ある種、治療手段を持たぬ者には最も恐ろしい魔法だといってもいい。 その魔法を、通常は攻撃として用いるはずを、パロムとポロムは自分にかけたのだ…… 実際は、黒魔法を使えるパロムの手によるものだろう。だが、ポロムもそれを拒まなかったのだろう。 そして、石となった自分達の体で、迫り来る壁を受け止めたのだ。

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