五節 忠誠と野心22

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「すいません。テラ様……」 牢内部の人並みを掻き分けて、魔導士達がテラのところまでやってきた。 「いや、いいのだ……それよりも」 「はい……我々はミシディアの民。クリスタルの奪還の際にこの国まで連れてこられて……」 何故か。それはおそらく彼ら自身がまだ、処分されていないと言うことから、セシルが予想したとおり、 ミシディアの魔力を、バロンのものにしようとしての事だろう。 「まさか、再び会えるとは思ってませんでした……我々は誰もあなたの事を恨んではいなかったのに……」 「その話か……」 ミシディアでの魔法事故。 原因にテラが関与した事であり、ミシディアから彼が去ることになった切っ掛け。 「すいません。嫌でしたか?」 「まあな……」 「そうでしたか。ですがこれだけは言わせてください……あなたに教えられた事、それがあったからこそ 私たちは此処で大切な事を知ることができたのです!」 豪語する魔導士。

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