五節 忠誠と野心43


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ベイガン自身の腕先。先程セシルが切り落とした為、切り取られた断面が残っているだけだ。
そこから、何かが盛り上がっていく。それと同時に伺った、ベイガンの顔には追いつめられたという危機感も
無く、余裕の表情すら感じさせる。
盛り上がった腕先は更なる大きさを増し、赤色であったものに薄紫色が被さるようにその面積を増していく。
最後に、先端が裂け、牙を除かせる。そうすると見覚えのあるものになっている。
「再生したのか……」
見間違いでは無く、確かに切り落としたはずの腕が綺麗さっぱりと、元通りになっている。
「驚いたか……」
ベイガンが、焦燥しているセシルを笑う。両腕の表情も、表現できる限りに嘲弄し、けたましい笑い声を
上げている。
「そういう事だ。まずはこの腕を無くそう。悪い作戦ではなかったと思うぞ……しかし、相手が悪かったな」
言い終わらぬ内に、その腕を振るう。怒濤の勢いで右腕の顔がセシルへと突進してくる。
「あんちゃん!」
パロムの危機を知らせる声が響いた時には、セシルは横に跳躍しその攻撃を回避していた。
最初にベイガンの先制を許してしまったばかりだ。二度も、同じような目に遭うわけにはいかない。
だが、このままではいずれ負けてしまう。策を練り直すべきか。そんな猶予は何処にある。
第一、時間を確保できたとしても、良い作戦を思いつくか?
僅かの思考時間を要した後、セシルはとりあえず目前の状況に対して、全力で攻撃をかわすことだけに専念する。
そうしなければ、やられる。上手く考えがまとまらない。
戦局は不利に傾きつつあった。
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