変わる世界 交錯する言葉13


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カタパルトから引き返す際。バルバリシアは考える――

「何故こうも気に掛ける?」
それは自問であった。
自分はルビカンテを始めとした<四天王>と呼ばれるもの、今までにも幾度もの争いや災いに加担し、
人間という存在も飽きるほど見てきていた。その記憶の中の大半の人間は脅え逃げまとい、中には命乞い
をする無力なもののイメージであった
魔物と呼ばれる中でもトップクラスの実力と知恵を兼ね備える、彼女にとって人間は特にこれといった
力を持たない無力かつ、見下すべき存在であり、無関心であるべき存在であった。
なのに何故?
「ようぉ~バルバリシアではないかぁ~」
疑問が声になる瞬間、通路前から聞こえてきた声がそれをかき消す。
「ル……ルゲイエ。どうしたの任務の方は?」
「あ~それはのうーもう十分に用事を済ませたからの。後はルビカンテ様に任せておけばいいと思っての
わしは一足先に帰らせてもらったのじゃ~」
予期せぬ来訪者はひょうひょうとした足取りで此方への距離をちじめて来る。
「そう。ならエブラーナは?」
バルバリシアは段々と近づく距離を話しながら言った。このルゲイエという老人。彼女は少しばかり苦手と
していた。否、余程の物好きでもない限り、初対面でこの者に特殊な感情を抱いても、完全に好意を抱く者
等皆無であろう。それだけは彼女が侮蔑する対象である人間としても変わりはないであろう。
「勿論~当然バブイルの方もな。此処での研究がえらく役立ちましたわぁ~! もうすぐあちらの方も完全に把握
できると思いますからね~そうなればここからもお引越しでしょうか~?」
「ふん……良かったわね。嬉しそうで」
心にもない事を言う。最もこの老人は何時もこの様にお気楽極楽といった感じなのである。要は皮肉として言ってやった
のだ。
「おうおう! なんたって思わぬ収穫がありましたからね。うん! <実験>にはうってつけそれも二つも! これは
うかれない方がおかしいって事ですよ!」
此方の皮肉を理解したのかどうかは不明だが、そのまま嬉々とした様子で去って行った。
「はあ……」
溜息をついた後、一人ごちる
「そういえば奴も元々は人間だったけ?」
確かにそうなのだ。疑問視しなければならないのはあの老人が人間ばなれしているからだ。実際、既に自分の体の一部を
機械の力で改良を加えているらしい。こうなってくると人間といっていいのが正しいのか疑問だが、少なくとも元は人間
で間違いない。自分たちの様な魔物とは訳が違う。
だが、あのような者が此処に居ることに対して、彼女は違和感を抱くことは少なくない。
今までにも自分たちのような四天王に対し、屈するような人間は多くいるのである。そのようなものの、殆どが、自分達
「四天王」対する怖れ、あるいは少数ではあるが、あの老人のように興味本位によるものである。
最も、あのルゲイエ程の狂気じみた性格の者はやはり初めてみるのであるが……だが、それでもバルバリシアにとっては
予想の範疇の理由なのである。

だが……先ほどから彼女の頭を支配するあの男は。今までバルバリシアが見たこともないような
人種であり、そして何故ここにいるのか? 彼女の考えでは全く予想がつかないのであった。
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