三節 光を求めて30


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ダムシアンに来た時は東にあった太陽が、いまでは真上に上りつつある。
セシルとリディア、それにホバー船を操縦するギルバートは小さくなって行く城を背後に、
一路アントリオンが棲むとされる辺りを目指していた。
「なかなか乗り心地いいね。これ」
後ろへ流れていく風景を眺めながら、リディア。
「ああ。低空しか飛べないし武装も何もないけど、この子の機動力は飛空艇並みだよ」
速度を少し上げながら、ギルバートが答える。
「襲撃された時も、生き残った人達はこのホバー船に乗って領内の集落に逃げたんだ。無事だといいのだけれど…」
「大丈夫、きっと無事さ」
顔を曇らす彼を、セシルが軽く励ます。

そんな話を暫く続けていると、砂の地面が一旦途切れ、少し先に浅い海が広がった。
3人を乗せたホバー船はその海を強引に突っ切り、数キロ先の対岸を目指して一直線に走って行く。
「たったいまファブールの領内に入った」
対岸へ渡り終えた時、ギルバートが言った。
「アントリオンの巣はこの先のホブス山のふもとにある。そろそろ着くよ」
彼がそう続けた時、地平線の向こうに尖った何かが見えた。
それは近づくにつれ高く大きくなっていき、やがて気高い岩山である事が分かる。
「ホブス山だ」
セシルが、遠くにそびえる巨峰を見やりながら言う。
「おっきい…」
リディアはその巨大さに圧倒されている様子だ。
実際、ホブス山は彼女が生まれ育った山々よりも遥かに高い。
世界でも1,2を争う偉大さだが、セシルはこれに匹敵する山を見た事がある。
ただ、あそこは何やら尋常ではない雰囲気を感じ、近づきがたい感じだ。
ホブス山がいよいよその全景を現した時、
その膝元に明らかに周りの景色と馴染んでいない「穴」のようなものが認められた。
「着いたよ、2人とも」
ギルバートがその「穴」を指差しながら言う。
「あれがアントリオンの産卵地だ」
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