変わる世界 交錯する言葉20


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ゾットはその機械的な外観と同じく、内部の様相や、構造も機械的であった。
幾多もの階層を登ろうが、同じような通路で構成され、景色は無機質な外壁から
代わり映えすることはなかった。
延々と自分が同じ場所を繰り返して歩いているのではないか? そんな疑問すらも
覚えてしまう程である。
そんな迷宮のような場所を進む中でもセシルの心は整然としていた。
――全てを信じたといえば嘘になる。
疑問があったかと聞かれるとうなずくしかないと思う。
だが、己の中になる確信はそれらを雑念として処理してしまう程の確固たる強さであった。
仲間たちもセシルの覚悟を大なり小なりに感じ取ってくれたのだろうか……このまま先へ
進むことに対しても特に異を唱えはしなかった――勿論、周囲の警戒を怠ることはしなかったが。
ただ。テラに関しては、一刻も早くにゴルベーザと相まみえたいのだろうか、その歩幅はセシル達
よりも速く、既に五歩程先を歩いていた。
「テラ殿……少しは我々と歩調を合せてくだされ」
ヤンが言った。唯のお節介ではない、敵襲を予期してのことだ。敵襲がくれば真っ先に襲われるのは
先頭にたつものであり、賢者と呼ばれるものは一般的には立つべき場所ではない。
「ふん……このままでいい」
「ですが……」
「誰がこようと、私の前に来れば全て吹き飛ばしてやるわ!」
ぶっきらぼう且つ、乱暴な返答のテラに、ヤンの穏やかな抑制は消えてしまった。
「…………」
「―――」
「それならば……私も前に立ちましょう。それでよろしいか」
少しの沈黙の後。
「好きにしろ」
静かに言った。
瞬間、歩く一向に何かが飛来した……
「シド!」
今まで黙っていたセシルは急に大きな声を出し、自分の少し後ろを歩くシドをテラ達のいる方向へと
押し出しした、それから瞬刻もしない内に、やってくる飛来物をかわすべく身を翻した。
「やはり罠でありましたか」
見ると、ヤンが言葉を発する前に、その飛来物の原因たる者に飛びかかり破壊していた。
そこには侵入者を迎撃するべく配置されたガードロボット――
「すまぬなセシル」
助けられえたと判断したシドが礼を言う。
「ふん……ゴルベーザの事だ。驚きはせぬ……」
「違う……」
別方向からでたテラの声を、セシルが静かに否定した。
「何?」
「狙いは僕……そう僕だけだ……」
そう言った後、セシルは今まで全速力で今まで辿ってきた道へと引き返し始めた。
「おいっ! セシル何所に行く?」
「ごめん、テラ達だけで先へ向かってくれ――」
僕は――
そこから先は言葉にせずに、自分の中で言い聞かせるだけにとどめた。
どうやら「彼」も自分との応対を望んでいるのだろう。
理由は分からない。だが、問う必要もないだろう。すぐにでも明らかになることだ。
見ると、どうやらセシルの目論見通りだったらしい。ガードロボットはテラ達を無視して此方へと向かいつつある。
やはりだ……セシルは自分の考えが確信に近付きつつあるのを噛み締めつつ足を速めた。
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