三節 光を求めて31


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停止したホバー船から降り、アリ地獄をそのまま大きくしたような巣の中央へと歩いていく。
中央へたどり着いた時、ギルバートはその場に座り込み、砂の大地の中に手を突っ込んだ。
「えーっと、確かこの辺りに…あった!」
そう叫ぶと、地中をまさぐっていた右手を引きぬく。
その手には、美しい輝きを放つ紅い宝石が握られていた。
「これが”砂漠の光”?」
ギルバートから宝石を受け取りながら、セシル。
「そうだよセシル。さあ、日の暮れない内にカイポへ…」
その時、ギルバートの背後に巨大な鋏が、地面を突き破りつつ真下から現れた。
「アントリオン!」
突然の出現にセシルは鋭く叫びながら交代し、リディアは「キャー!」と叫んで巣の上のほうまで駆け戻る始末だ。
ギルバートだけは落ち着き払った様子で、その場に立ったまま鋏の形をした腕を見据えている。
「大丈夫。凶悪な外見の割にアントリオンはおとなしいんだ。
 人間には危害を加えない。さあ、行」
そこまで言った時、鋏が突然大きく開いたかと思うと、
――ギルバートめがけて伸びてきた。

「うわあ!」
「危ない!」
セシルが咄嗟に短剣を投げる。
それはギルバートを襲おうとした鋏の関節の辺りに突き刺さって一瞬怯ませる。
その隙を見て命からがらギルバートが逃げてくる。同時に、腕だけを露わにしていたアントリオンがその姿を現す。
――蟹に良く似た、先端が鋏の形をした太い腕を2本持ち、それよりもだいぶ細い足が4本生えている。
全体としてはザリガニか尻尾の無い蠍、そうでもなければトンボの幼虫のような姿だが、全身を硬そうな甲殻で包んでいる。
砂漠の巨獣アントリオンが、今まさに3人を襲おうとしていた。
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