変わる世界 交錯する言葉28


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「デルタアターク」
反射された魔法が対象へと向かう。
「散れ! ダメージを分散させろ」
あくまで冷静を貫いたまま、テラは後ろ二人へと指示を出す。
「はい!」
「おう!」
すっかり取り残された感のあった二人であったが、急な事態にも迅速に対応していた。
「よし……それでいい。受け取れ、聞こえているか?」
ヒソヒ草を取り出し、シドとヤンに投げ、問いかける。
ギルバートの手渡した物を利用するのは、いまだ気がひけたのだが、さっさと物事を終わらせたい一心がテラの
執着心を揺るぎさせていた。
「奴らのデルタアタックを打ち破る。いいか……まずはマグをねらう」
「どいつじゃ!?」
「奴らの身の口上を聞いとらんかったのか? まあいい……長女じゃ、あの大柄の」
「わかりました」
ヤンが言った。
「デルタアタックというのは自らにリフレクの呪文を使う。そして、そのリフレクの障壁を使ってこちらへと魔法を
向ける。こうすることによって、自分達だけが魔法の恩恵を受け、相手には魔法を聞かなくする。相手方に魔道士が
いる時によくつかわれる戦法だ……私のようにな」
「…………」
「どうやら障壁を張っておるのはあの長女だけのようだ。後の二人が――正式にはあの小柄の者が長女に魔法をかけ反射の役割を
になっておる」
おそらく、長身の方は回復、補助を担当しているのだろう。テラはそこまで判断はしたが混乱を避けるため、補足説明はしなかった。
「だったらまずは他の奴から倒してしまえばいいのではないのか?」
「よく考えてみろ? それが罠なのだ」
「どういうことですか?」
今度はヤンが問い返す。
「次女、三女に担当を振って、あの長女側は何もしてない。あの三姉妹がそこまで無策で来るとは思えぬ、ここからは完全に
推測なのだが、おそらくは蘇生担当なのだろう。そうどちらかがやられた時に蘇生魔法で蘇らせる……デルタアタック戦法の
リターンである攻撃要員に目先をむけさせて、先に潰させる。やっとこさ倒したと思ったらすぐに復活。こちら側を疲弊させる
それは奴らの狙いであろう」
「なるほどな」
盲点だったとばかりにシドが合点する。
「では頼むぞ」
その一言に二人は頷くと、すぐさま三姉妹――デルタアタックの中心部である、長女マグへと飛びかかって行った。
「姉じゃ!」
ドグが驚きの声をあげた
「見すかされたか……」
咄嗟に判断を切り替えシドとヤンの迎撃体制を取るマグ。
だがいきなり襲いかかれては成すすべもないのだろう、じわじわと二人がマグを押し始めた。
こちらの勝利は時間の問題だろう。
「姉じゃ!」
「……!」
障壁さえなくなってしまえば後は自分でなんとか出来る。
困惑しきった残り二人にテラは自分を殺さない程度の魔力で魔法を打ち込む。そう……<自分>を殺さない程度に。
「デルタアタックが破れるとはー!」
「姉じゃ~!」
「馬鹿な……」
それぞれに繰り出される言葉を尻目にテラは思う。
「こんなところでやられる訳にはいかない……」
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