第1章 SeeD-72


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結局、秘密の場所への来訪は俺にとってまた一つ悩みを増やすだけであった。
憂鬱気味になった俺は足取り重く、学生寮への帰路を歩いていた。
学生寮へと続く渡り廊下。先ほどの訓練施設までの道と違い野外を通してつながれている。
夜風が俺に降り注ぐ。少し憂鬱な心も風が洗い流しているようで気持ちがいい。
「ん?」
深夜のフクロウのコーラスをバックに、SEED制服に身を包んだ者が場違いに立ち尽くしている。
「よう、スコール」
ゼルだ。
勘弁してくれ……また憂鬱な要素か?
なんでこんな時間に? ただでさえ今日は色々あって疲れているというのに。
「ゼル。まだそれ着てたのか?」
早く退散してもらいたい。そういう一心で俺は少し嫌味な言葉を言った。
「ああ……SEED服な。せっかくの目出度い日なんだからさ、なんか脱ぐのがもったいなくて」
なぜ照れるのだ? どうもこいつは能天気が過ぎるようだ。
「それにさ、お前に用があったからここでこうして待っていたんだ」
「何だ?」
降参だ、俺はもう疲れている。さっさとベットに潜り込んで眠りにつきたい。
寝れば一時しのぎだが、今の様々な悩みが絡み合ってる状況から解放される。
だから早く用件を言ってくれ。
「おう! 喜べ。SEEDになった今日から俺達は個室をあてがわれたんだぜ」
身の凍りつくような気分になった。
「それだけか?」
率直に言葉を返す。
「知ってたのか?」
「勿論」
その為に荷物整理もしていた。
むしろ知らない方がおかしいのではないかとさえ思う。
「そうだったのか。すまねえな。無駄な話になっちまって」
何故謝る。
「いつから待ってたんだ?」
無駄なことを聞いてみる。早く帰りたい気持ちなど無くなってしまった。
「ああ……パーティーの方に最後までいたからな、そこから自分の部屋に戻ってすぐだから……
AM00:25くらいからだな」
丁度俺が秘密の場所へ言ったばかりの時間だ。入れ違いになったようだな。
「ずっと待っていたのか?」
今がAM2:10だ。とすると二時間近く待っている事になる。
「悪かったな」
呆れるよりも先に謝罪が出た。
「いやいいんだぜ。友達なんだからさ」
「友達?」
寒気のする台詞だ。
「だろ?」
「俺は思ってない……」
「だって一緒にSEEDになったんだぜ、もう何かの縁だぜ! だから友達って事で、ニーダの奴もそう
思ってるらしいし」
ニーダ。誰だそいつは?
声に出る前に思い出した。
今回SEED試験の合格者は四人。
ニーダは俺達二人やセルフィと一緒に合格した奴のことか。
「ま、正直あのでっかい蟹野郎に追い回されてた時はサイファーとお前を恨んでたんだけどな」
悪びれもなく酷い事を言う。というかそんな事を考えていたのか……あの時。
「でもま、喉元すぎればなんとやらってことさ」
「じゃ、サイファーも友達だな……」
「それは勘弁してくれ!」
いつになくおびえた表情だ。
「あいつ風紀委員で俺は良く睨まれてたんだからさ……正直班長があいつだった時、俺――」
「ふ……」
俺は苦笑した。
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