三節 光を求めて34


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その途端、アントリオンが殴られでもしたかのように悶え始める。
魔物はそのまま逃れるようにその場から逃れる。その拍子に彼らを見つけたが、
わき目もふらずに竪琴の音色から少しでも遠くへと移動して行く。
巣の反対側まで来てようやく落ちついたのか、立ち止まって憎々しげにこちらを睨むが、決して近づいてこない。

「一体何をしたんだ?」
訝しげに、まだ竪琴を奏で続けるギルバートを見やる。
「この竪琴は特殊でね。人間には普通に聞こえても、
 モンスターが聞くと驚くぐらいに嫌がるんだ。あんな風にね」
答えながら、近づこうか近づくまいか迷うような素振りをする魔物を見やる。
「それよりセシル、倒すなら今だ!」
「わかってる!」

怒鳴り返し、剣を手に一気にセシルが走り寄る。
動きが鈍い鋏の迎撃をかわして顔まで到り、一気に鎧のような甲殻に守られていない眼に剣を突き刺す。
太い鳴き声でアントリオンが咆哮する。それに混じって、リディアの「どいて!」という叫び声が聞こえる。
セシルが剣から手を放してその場に伏せると、背後からサンダ―の雷が飛んできた。
雷は狙いたがわずセシルの突き刺した剣にあたり、そこから巨獣の全身を剣もろとも貫いた。
ゴオウ、という唸り声とともに、アントリオンが数歩後ろに仰け反る。
しかしそれも束の間、体勢を整えて目の前のセシルだけでも殺そうと隻眼片腕で襲いかかる。
が、当のセシルはその場で棒立ちし、ただ迫る魔物を見据えていた。
「チェックメイト」

そう暗黒騎士がいうが早いか、
眼に刺さったままの剣から放たれた暗黒の刃によって砂漠の巨獣アントリオンは中から切り刻まれた。
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