穿つ流星17


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死を覚悟した。
バルバリシア。それを指示するゴルベーザが自分をどうしようとしているのかは重々承知していた。
もうすぐ、上空にそびえたつ鋭利な<それ>が拘束された自分へと降りかかる……
ようやく固めた決意の中で果てていくのは不本意だと思っていた。
ただでは転びたくはない。そう願った結果だろうか。
気づかぬ内に自分の体を縛る拘束具が外れていた。始めは何かの冗談だと思った。
だが、すぐにでもローザは思考を切り替えた。
最前までは恐怖があったのかと聞かれれば、勿論そうだと答える他はない。
しかし、いつまでもそのような恐怖に縛らていては何所に行くことすらも出来ない――かつての自分がそうであったように。
そんな事は決してあってはならない。今はその恐怖を断ち切り、自分の成すべき事をせねばならない。
ましてや、絶望とすら思えた状況の中で、何かしらの奇跡とも思える状況が起こったのだ。
大なり小なりあれど、奇跡と呼べる程の言葉を贈りたい場合には、何がしかの裏付けがあるものではないか?
ローザの持論という程ではないが、世の中の多くの人間はまずありえない程の幸運な事態に遭遇すると、まずは疑ってみるものなのでは
ないか。
今さっき、ローザが直面した<奇跡的状況>にもこのような考えを張り巡らす余地は充分にあっただろう。
だが、今は考えている場合などない。そして必要な局面でもない。無駄な時間は一つも無い。
そう思ったローザは、今この場で起こった状況を、偶然にも拾った幸運と捉え、すぐさまに走り出した。
<セシルは此処にやってきている>
バルバリシアの話した言葉によるとカインと戦っているのであろう……
二人がどうなっているのか? その結末はローザには分らない。
だが、そのどちらか又は両者ともがいずれ此処にやってくる事は間違いないであろう。
急かす気持ちと共に、自分が閉じ込められていたであろうこの部屋の出口へと走る。
その途中で扉が勝手に向こう側から開く。
そこから現れた人影が二つ。黒き鎧を纏った者と、白き鎧を纏った者。
<彼ら>から自分の名前が発せられた。
そしてローザも返答するように<彼>の名を呼ぶ
「セシル」
今は誰よりも優先して会いたかったその名を――
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