終わりの始まり10


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カインの後を追うとやがて一つの開けた場所に出た。
島の中で数少ない平野部分であるそこはゴブリンぐらいの魔物を追い払う為に作られた、気休め程度の低い柵に囲まれ、
二階建ての民家がまばらに散在していた。
町ではなく集落と呼んだ方がふさわしいその場所であるが、森林と山岳に覆われたこの島においては最も栄えている場所なのであろう。
行き交う人々は少ないながらも、集落は予想以上には活気に満ち溢れていた。
「こっちだ」
カインに促されるままに歩を進めると、一つの民家へとたどり着いた。
「ここが?」
見たところ、道中に見た他の民家と何ら変わりはしない普通の場所である。やや拍子抜けしたというのが本音だ。
「ああ」
簡潔な返答をすると、セシルの返事を待つことなくカインは民家の扉を叩いた。
「あ……はい!」
程無くして扉の中から声が返ってきた。それから間をおかずに扉が向こう側から開いた。
「あら……カインさん。こんにちわ」
姿を現したのは若い女性であった。見たところの年齢はセシル達とあまり変わらないように見える。
「コリオは?」
「それがあれからずっと部屋の方に籠もりきりで……まあいつもの事なんですけどね」
そこまで言って、セシルと若い女性の視線が合った。
「あ、その人がセシルさんとローザさんですね!」
にっこりと笑顔で会釈してくる。
「こちらこそ」
セシルも返答を返す。
見たところの年齢はセシル達とはそれほど変わらないであろう。
「なら、奥を使わせてもらうぞ」
それだけ言うと、女性の返答も待たずに奥へと進む。
「セシル、お前も来い。気まぐれな奴だからな……早めに話を聞かねばな」
考えている時間は無さそうだ。セシルもカインの後を追って歩き出した。
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