終わりの始まり12


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「入るぞ」
そう言ってカインは扉を開けた。
扉の中には一般的な民家と変わらない内装の部屋一杯に所狭しといったばかりの本と黴臭い匂い、それに一人の
男が本に囲まれて座っていた。
「やあ」
セシル達二人を見ると男の方は気さくな様子で挨拶を交わしてきた。
僅かな一声ながら、先程の声主の正体である事は分かった。
縁の太く、顔と比べれると少しばかり大きすぎる眼鏡をかけ、ボサボサに伸ばしきり肩下まで到達しようとする髪に
顎には不精髭を生やしっぱなしにしているその姿は一見するとみすぼらし印象を持たせた。
「君がセシルかい。始めてだよねこうして顔を合わせるのは――」
だが、一旦口を開くとすぐさま先の様な印象は薄れた。
その男の声色は澄みやかに透き通っており、口調も外見からイメージされるような暗さや気難しさはない。
むしろ気さくな様子で誰とでも仲良くなれそうな雰囲気を醸し出している。
「初めてだ」
まじまじと男を観察しているセシルに変わりカインが答える。否定するつもりはない。
セシル自身も彼と会った記憶は当然ないないからだ。
「そっか――始めまして。僕はコリオ。君に話があってここまで来てもらった」
男――コリオと目が合った。
巨大な眼鏡の奥底に眠る瞳は好奇心に満ちたりており、如何なる時にも探究心を忘れることのなく何かを追い求める
かのように光り輝いている。
冴えない外見と不精鬚ですぐには気付かなかったが良く見ると年端もセシルやカインと差ほど変わらないように見える。
少しでも小奇麗にすれば、理知的な青年として周囲の目を引きつけてしまうのではないか。
「単等直入に切りだすよ。クリスタルはあれが――ゴルベーザとやらが奪取したやつですべてではない。って……これは
カインもはなしているね?」
「あ……ああ」
言葉通りいきなり本題に移ったので少し驚いた返答になった。
「クリスタルはこの世界には八つあるんだよ。つまり残り四つもあるって事……だったらその残りのクリスタルはどこに
あると思う……?」
にやりとコリオの口元が笑う。
「表と裏……?」
先程のカインの言葉を反芻する。
「!」
そこである考えに行きついた。
「世界の裏……」
「そう此処にあるんだよね」
セシルの言葉を肯定するコリオは不敵な笑みを維持したまま地面を指差した。
「文字通りの地底。世界の裏の姿……」
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