地底世界7


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またたく間に城へと案内されたのは、真っ先に目に入ってくる大広間を通り抜けた先にある大きな扉であった。
ここまでの道のりには複雑な順路を通ってきた。そこから察するに今招待されたこの場所は、普段王との謁見を果たすために
存在する王の間ではないであろう。そのような場所であれば大抵入口を道なりに行けば辿り着くからである。
ここまでの道案内をしてくれた地底人の男が、扉を開けて内部へと踏み込む。セシル達もそれに続く。
部屋の中には大きな円卓の机が一つ並べられていた。机を取り囲むように数えきれない程の人が着席している。
更には祭りや宴の類にしても大きすぎる円卓からすらもあぶれた人々があちこちに立ち尽くしていた。
「おお――あなたがバロンの!」
とてもではないが一目で何人いるのか到底判断がつかないその円卓の中心、そこにいる人物がセシルを見るなり声を上げた。
外見からして地底人の男である。それもどこからともなく溢れ出る威厳が彼の正体を示していた。
「私がジオット、この地底の国を治めるものです」
円卓から立ち上がり会釈を交わしてくる。
「既に外の様子は見てきたでしょう?」
セシルが頷くと、すぐさまジオットは言葉を紡いだ。
「ゴルベーザといいましたかな。あの部隊を率いてる者の名は」
それが質問なのか自問なのかを考える内に更に続く。
「闇のクリスタル――こちらのクリスタルもすでに二つも奪われてしまった」
「そんな!」
次々と語られる事実にローザが悲鳴と驚愕の声をあげる。
セシルも、おそらくはカインもシドも同じような気持ちであった。窮鼠猫を噛む勢いで地底までやってきたというのに……
僅かに残された手段を使って来たのに、ゴルベーザを出し抜く事は出来なかったのか? そもそもセシル達のやってきた事など
ゴルベーザにとっては微塵にも影響を及ぼさない事だったのか?
いくら抵抗しようが無駄なのか? メテオの直撃を喰らってでも生き延びた奴の野望は底なしなのか?
絶望にも近い想いがよぎった――そこから導き出されるのはただ一つ、諦め――
「いや、まだ諦めるには早いですぞ!」
セシル達の落胆は外から見ても明らかだったのか、円卓から声を上げる者が一人。
本当か――? 投げやり気味な思考が否定の言葉を出した。
だが、その者の声は聞いたことがあった。そして続く言葉が完全にセシルをマイナスの思考から引きづり戻した。
「あまり多くは抱えすぎるなという事ですぞ……パラディン殿」
それはかつて、パラディンとしての責務に病的になっていたセシルに対しての言葉――
「例えどんな状況からでも諦めずに状況を覆す、何事にも遅すぎるという事はないのですぞ!」
そしてセシルよりも遥かに熟練し長き道のりを歩きてきたからこそでる言葉。
「そうですなセシル殿?」
「……ヤン!!」
ゾット以降の再会となった仲間――モンク僧の名をセシルは呼んだ。

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