罪の在処1


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「おい、しっかりしろ!」
カインが床へと倒れこむ兵士達に片っ端から声をかけて回っている。
「一体何があった!?」
王との謁見の間。玉座と真新しい赤絨毯に大理石の柱が立ち並ぶその場所は普段の厳格かつ静粛な
雰囲気を留めていなかった。
「ローザ傷の方は?」
「……命に別条はないみたい」
作戦開始の準備が刻一刻と進む最中、突然王の間に異変が起こった。
最初に聞こえてきたのは悲鳴であった。ただならぬ予感を感じ取ってかけつけてみれば、王の間には
血溜まりがあちこちに出来上がり警備と思しき兵士達が何人も倒れていた。
まさかゴルベーザ達が城にまで潜入部隊を潜り込ませていたなど完全に想定外であった。
そしてそのせいでまたもや傷つく者が出てしまった。
「じゃあ、この人達は大丈夫なんだね……?」
緊急手当として白魔法を詠唱し終えたローザにセシルが尋ねる。
「ええ。でもこれじゃ応急処置にしかならない。すぐに医務室にでも連れて行かないと」
ほっと一息撫で下ろす。結局はゴルベーザとの戦いは地上の者達が持ち込んだものだ。
それにより地底の者に犠牲者が出てしまうのは絶対に阻止したかった。否、もうこれ以上誰にも
犠牲になってほしくはない。
「……いやいいんだ……」
ふと負傷した警備兵が口を開いた。
「いまの回復魔法で私達は大丈夫です。後は自分の足で医務室に行きます。それよりもあそこへ……」
大丈夫だといったがまだ傷は完治していないようであった。しかし、その兵士は痛む体を抑えて奥の方向を指差した。
見ると王の間の象徴であり、権威の証でもある玉座の後ろの壁に人が出入りできるほどの空間が出来上がっていた。
先の見えないそれは随分と奥まで続いているようであり、覗き込んで見てもここからでは最深部を確認できない。
「まさか!?」
警備の者が自分の身を後回しにしてでも守れというもの。そしてゴルベーザがわざわざ向かっているもの。考えられるものは一つしかない。

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