罪の在処17


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クリスタルルームにいる誰もが黙って彼女の言葉を聞いていた。
「まずはあの時の事を話さなきゃ……覚えている?」
セシルとヤンはすぐさま頷いた。カインとローザは黙ったままだ。
「セシル説明を?」
「ああ、ローザが捕らわれた後に僕たちはすぐさまバロンへと向かった。シドの協力を借りる事、そしてローザを
助ける為、だが途中で謎の海龍に襲われて離ればなれになった……」
リディアに促されセシルは二人に簡潔に説明する。
「そうだったの……」
ローザが口元に手を当て嘆くような口ぶりで答える。カインの方も無言ではあるが考え込んでいる表情だ。
お互いに色々あった時期だ……その裏でこのような事があったのは思うところがあるのだろう。
「あの時の原因は全て私にあるの……」
「!」
その言葉はセシルを凍りつかせるには充分であった
「そんな訳はない!」
ヤンが慌てて否定する。セシルも同じ気持ちだ。だがどこに根拠がある?
「いいの……優しくしてくれないで。本当の事なんだから……」
「…………」
ヤンの擁護も穏やかにはねのけられた。もはや黙って言葉を待つしかなさそうであった。
「あの時、あの場所に現れた海龍。あれは幻獣、いえ幻獣王のリヴァイアサンなの……幻獣は地上には生息せず
別の場所に住んでいるの。それがあのようにして地上に現れる手段は一つしかない」
段々とセシルにも分かってきた。耳を塞ぎたくなった。だがそれはリディアが許さないだろう。また自分が許せなく
なるだろう。
「別の世界の存在に触れそれを呼び出す存在。それが召還士なの……」
「ならばあれはリディアが呼んだというのですか!」
ヤンが声を荒げる。怒っているわけではない。ただ信じられない事を聞いて動揺しているのだ。
「でもそんな事が出来るのか……だって」
セシルは語られた事実を思わず否定した。今度は根拠があった。
「あの時の私にそんな力は無かったって言いたいんでしょ?」
「……ああ」
内容が内容なので言い淀んでいるとリディアが変わりに答えた。
肯定するしかなかった。リディアは特に怒っていなかった。むしろこれからが本題とばかりに続けた。
「セシルの言う通り。子供だった頃の未熟な私に幻獣王様を呼び出す事なんて無理だった。いや、こんな体になった今でも
出来ないのよ。普通に考えたらあり得ないのよそんな事……」
その声はまるで誰かに詫びているかのようであった。

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