罪の在処18


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「でもあの時の私には一つだけ凄い力があった。それは怒りと憎しみ……」
リディアはセシルを見た。
「セシルには守ってもらった。だから私は一緒について行く事にした。でも……やっぱり時々思い出したのミストが燃えさかる光景を……
それでやっぱり憎しみの心を思い出したの。表では許そうと思っても、裏の心では憎しみを捨てきれずにいた」
「ミストか……やはりあの幼子だったのだな」
その言葉はカインにも響いたようだ。
「許してくれと言うつもりはない。俺はセシルと違ってあの後もゴルベーザに付き従ったのだからな……」
何か言わないとカインも気が済まないのか。謝罪の言葉を述べた。
「いいの」
それだけ言って彼女は再び本題へと戻った。
「それでゴルベーザがローザお姉ちゃんをさらっていった時も当然の用にゴルベーザを憎んだの、そしてその想いは焦りを生んだ……」
もはや誰も何も言わなかった。
「全てが無くなっちゃえばいい。巨大な力が現れて全て壊れてしまえ。憎しみが加速して私はそんな事まで考えてしまった。でもその憎しみ
は力としてみれば凄いものだったらしいの。その力が幻獣王様を呼び出す事になった……」
詫びる言葉から自分を責める言葉の調子へと変わっていく。
「でもそれは言っちゃえば負の思考なの。元来幻獣ってのは程度の差はあれど穏やかな生き物なの……ましてや幻獣王様ほどの御方になれば
非常に聡明であるはず。でもそれはあくまで幻獣世界での話……向こうの世界から地上に現れた時、幻獣達は余所者に過ぎない。そしてその
存在は召還士によって行使されるモノ。気性や性格などは召還士の状態によって大きく異なってくる……」
声色は涙混じりになってきた。
「私は悲しみによる怒りと憎しみの力で幻獣王様を呼んだの。王と呼ばれるだけあってその力は強大……そんなものが間違った力で地上にやって来ると
どうなると思う? ああなるのよ……」
セシルは身震いせざるを得なかった。恐怖に? あの場所で彼女を制止できなかった自分に?
思えばエーテルを大量に口に含み、回復魔法を一心不乱に唱えていたのも焦りの表れであったのだろう。
何かがきっかけで彼女を変える事が出来たのなら、あのような悲劇は回避できたのか? だが、あの時の自分は暗黒騎士の自分は己に迷い、周りに惑わされ続けていた
彼女の事にまで手は回らなかったであろう。

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