去りゆくもの 残されるもの3


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その場所の入り口は他の扉と一見すると全く一緒であった。
だが、外部からでも分かるほどの異様な雰囲気が部屋の中からあふれ出ていた。
「ここは?」
おそらく巨大砲の制御室ではないであろう。ましてやクリスタルをいくつも保管している場所であるとは思えない。
そこからあふれ出ていいる空気はどこか禍々しく近寄りがたいものであった。
「……いってみるか」
誰も拒否しなかった。その場所が発する空気は誰もが感じていたのだろう。
後から思えば無視して通り過ぎるという事も出来たはずなのに、何故か素通りする事は出来なかった。
部屋の中は塔内部の他の個室と違って、明かりがついていなかった。詳しく中を確認する為には、目を慣らす時間を要した。
「!」
暗がりに慣れ、おぼろげながら見えてきた光景に目を疑った。
「……にこれ」
部屋中に並べられた大型の培養管。その中に詰められたものは――
「人間……?」
言葉にしたくない台詞を口にする。
間違いない。それはセシル達となんら変わらない人間。培養管の中、濁った水の様な液体に詰められている。
その者達の表情は誰もが無表情であり、感情を伺いしる事は出来ない。焦点の合わない目は虚ろな様子で空を眺めている。
「まだ生きているぞ……!」
誰もが口を開きたくなかった状況を打ち破ったのはカインだ。
目を逸らしたい気持ちを抑えてじっくりと観察してみると、培養管の人々は体を微動していた。
「でも酷い……」
良かったと手放しに喜べるわけではないが、生きているという事実が眼前の光景を直視する余裕を与えた。
リディアが非難する。
「どうしてこんな事を……!」
それはセシルも同感であった。ゴルベーザ達は各国からクリスタルを奪い、多くの抵抗する民の命も奪ってきた。
だが……このような事をしているとまでは想像する事が出来なかった。

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