去りゆくもの 残されるもの11


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順当にバブイルの階層を登っていくと、ルゲイエの言った通り制御室らしき場所が設置されたと思わしき場所へとたどり着いた。
「あれだ……!」
目標とする場所を確認し、セシルは歩を速めた。
急がねばならない――先程からどうにも嫌な予感が頭をよぎっていた。
ヤンが先を急いだ。セシル達に一言言い残して。
それは本当にただ先を急ぐ主を伝えただけなのであるか? セシルはヤンの言葉に表面上の言葉以上のものを感じていた。
(今は……深く考えるのは止めだ!)
おこってほしくない悪い考えを想像するのは、本当にその考えが実現してしまう可能性を高めてしまう。
今までセシルが度々に思ってきた事だ。勿論、根拠はない。
だが先の見えぬ未来には期待だけを馳せるようにしたい。
とにかく自分に今出来る事はこうして先を急ぐことだけだ。閉ざされている道でも進めば何かが見えてくる。
一瞬だけ後ろを振り返ると後に続くカイン達が見えた。
その中にはローザもいた。顔を見るとまだ表情は暗い。しかしゆっくりとした足取りは前向きに歩きだしている。
「大丈夫だ――」
彼女はだ。確認すると更にセシルは移動を強める。
「ヤン――!」
目の先まで迫った制御室の扉に向けてセシルは叫ぶ。
ヤンは大丈夫なのか? 頭に浮かぶ心配の二文字を必死に払いのけようとするがなかなか上手くいかない。
「――――!」
一見すると何事もない制御室の鉄扉であったが、近づいてみると異常があることに気づいた。
(熱い……!?)
扉に触れるとおとずれたその感触。それは部屋の中でただならぬ事がおきている証拠だ。
ふっと冷静になってみると熱風が肌に触れる。目の前の制御室からであることは明らかだ。
「ヤン!」
すぐさま扉を蹴破った。熱を持った扉を普通に開けるのは難しいと判断したからだ。幸い、鉄扉といえど、一般的な扉と同じ
薄いものであったので難なく開くことができた。
「!!!」
扉の内部、制御室の光景が目に入ってくる。
塔の個室にしては広めなその場所には、制御室としての役割を果たす為か、所狭しに制御系の機械が立ち並んでいた。
しかしその場所には一目で分かるほどの異変があった。
おそらく巨大砲の各種制御に使うであろう機械類、それらすべてが破損していた。
部屋中に電流と火花が飛び交い、黒煙が辺りを支配している。
「ヤン! 大丈夫か!}
荒廃しきった制御室からは、ゾットの時を嫌でも思い出させた。
いてもたってもいられなくなったセシルは制御室へと踏み込み、ヤンの姿を探した。

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