エブラーナ6


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音がした場所はバブイルの抜け道のある方向、要するに今までの順路を道なりに進んだところであった。
前に頼もしい二人がいることに加え、今まで進んだ道を引き返すわけでもないのでリディアの手を引きつつも
迷うことも魔物に襲われることもなく女性二人で辿りつくことが出来た。
その場所は今までと同じく、薄暗い闇に閉ざされた場所である事は間違いなかった。しかし、これまで通ってきた
場所とは違って開けた広間のようになっていた。
その場所に銀の太刀筋と共に斬撃音が鳴り響く。先ほどセシル達が聞いた音の原因はこれであることは間違いないであろう。
「誰か戦ってるの?」
リディアが不安げに尋ねてくる。良い雰囲気ではないのは察したのだろう。
「ああ……」
カインが頭を縦に振る。
「だが、時間の問題だろう」
それはセシルも同感であった。
先の広場は闇で閉ざされてはいるが定期的に舞いあがる炎が明かりとなり定期的に様子を
伺う事が出来た。
うっすらとした闇の中でも目立つ白装束の男が両手にそれぞれ太刀を構え、対峙する相手へと
その矛先をむけていた。
「エブラーナの忍者というやつか」
二刀流という特殊な剣術を使いこなす他にも擬似的な魔法ともいえる忍術を操る者――
異国と呼ばれる地エブラーナの戦術はバロンにも届いていた。
今、この場を照らす炎はあの者の忍術なのであろう。
「あの男……乱れた剣筋だな……」
それはセシルも感じていた事であった。先ほどからあの忍の戦士の攻撃はひたすらに
一辺倒なのである。
「怒りに身をまかせている。あのままでは」
それはかつてのカインや自分のようであった。己の中の感情だけに捉われて回りを見据えていない。
その戦い方は相手に手の内をばらしているのと同じなのだ。
「あのままでは負けてしまうな……」
「助けましょう!」
セシルの言葉を引き継いだカインの冷静な台詞にローザが反応する。
さしづめ国を滅ぼされた恨みを込めた打倒といったところであろうか。だとすればその者が
相手をするならばゴルベーザの手の者だということになる。
どの道、目的を同じくする者だ。協力し合うのも悪くはないし、目の前で誰かがやられるのを
黙って見てるのもいい気分ではない。
「しかしどうやって助けに入る?」
一対一の戦いとはいえ、混戦を極めている。それにあのエブラーナの男の元に急に割って入れば、
誰彼構わず攻撃を仕掛けてくるかもしれない。

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