ff6 - 12 figaro


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 黄金の砂の上に、まるで異空間から切り取ってきたかのような黒い城が見えてくる。
 砂漠と言う厳しい条件の中、聳え立つ城は堅牢、そして巨大。
 宮殿と言うには余りに質実剛健な印象を放つその城は、技術の粋を集めた、国家中枢の凝縮だ。
 その城の特殊な機能をティナに教えようか迷ったが、城の主から説明させた方がいいだろうと思い、「フィガロは帝国と同盟を結んでるけど、ティナを悪いようにはしないよ」とだけ言った。まるで悪人の台詞だな、なんて思いながら。

 フィガロ城に近付くにつれ、チョコボの足取りも軽くなる。
 チョコボはそもそも帰巣本能が強い種でもあり、フィガロの飼育も巧みだ。そのお蔭で、さっきのように、砂漠で人間を見ると、様子を窺ってくれる。
 城の間近になると、チョコボはゆったりとした歩みで城門へ向かう。城の唯一の城門。客人はそこからしか入れないのだ。
 ロックは先にチョコボから下り、すっかりチョコボに気を許したティナを下ろす。何かチョコボにやれる餌でもあればよかったのだが、手持ちはなかった。チョコボの喉を撫でて、労ってやる。
「ありがとう」
 チョコボはティナの言葉にクエ、と鳴き、そのまま城門から離れていった。厩舎で休むのだろう。
 ティナが名残惜しげに数歩追いかけ、見送る。
「行こう」
 促すと、ティナは慌ててロックに駆け寄る。疲労も少しは回復したらしい。
 チョコボに乗って風に当たったせいで、汗も乾いた。
 城門前の5、6段の階段を上ると、その先に構えていた門兵がロックを見止め、「待て!」と鋭い声を上げる。
 周囲にいた兵も瞬時に臨戦態勢に入った。
 が、声をあげた当の門兵はロックの顔を見て「ん?」と眉を上げる。
「…なんだ、お前か。」
 気が抜けた顔をしたので、周囲の空気も緩む。顔見知りの兵だ。名前まで走らないが、向こうは知っているらしい。
「どうも」
 やっぱり人生って奴は人脈がものを言うね、などとのんきに思いながら、笑顔を作る。
「入ってよし」
 きしむような音を立てて城門が開いた。
 兵はティナを検分するような厳しい目で見たが、そのまま黙って通した。

 やっと、たっぷりの水にありつける。
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