ff6 - 13 figaro


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 門を潜り抜けると、ロックはまるで自分の城のようにフィガロ城を歩いた。ティナには珍しく感じる装飾ばかりで、視線があちこちに奪われながらロックについていく。
「ティナ、ここだ。」
 廊下に向かって開け放たれた、厚い扉。端を金の刺繍で飾られた赤い絨毯が、扉から部屋の奥へ一直線に伸びている。向こう側に、玉座と呼ばれるのであろう絢爛豪華な椅子が見えた。そこに、一人の男が座っている。
 ロックがティナの肩を軽く叩く。促されるままに部屋に入ると、玉座に座った男が立ち上がった。
 右を歩くロックを仰ぎ見ると、いたずらめいた笑みを浮かべ、そのまま歩けという風にもう一度肩を叩かれる。赤い絨毯は、足音も立てずにティナを歩かせた。
「ロック、この子が例の?」
 近付くと、男はまだ若かった。ロックより少し上くらいだろうか。見事な金髪を首の後ろで結っている。聡明な印象の鼻梁と、髪をまとめたせいで露になった白い耳朶が印象的だ。
「あなたは?」
 ティナの素っ気無くも取れる問いかけに、男は動じずに笑った。
「失礼、女性に対する態度ではなかった」
 男は芝居めいたお辞儀をする。髪が肩から流れ落ちた。
 悠然と優雅に上げられた顔には、微笑が湛えられている。
「私はエドガー。この国を任されている」
「…王様?」
 ティナの呟きに、エドガーがティナの顔を見ながらゆっくりと頷く。
「そうも言うね」
 驚いた。
 こんなに若い王がいるのか。
 あの国の皇帝はもっと…
(もっと?)
「俺が王様と知り合だなんてびっくりしただろ?」
 ロックが愉しげにエドガーの肩を寄せる。
 もっと、なんだったろう。なにが引っかかったのか。
 思い出そうにも靄がかかって、もうつかめない。
「さてと…、ちょっと外させてもらうよ。またな」
 最後の言葉は、この若い王に向けて発されたものだ。友人の気安さなのか、エドガーは軽く手を上げ、そのままティナに視線を向ける。
「帝国の兵士、だったかな?」
 ティナは体を硬直させた。

(兵士?)
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