ff6 - 16 figaro


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 彼が去っていくと、それだけで、部屋を満たしていた優雅な空気はあっという間に
薄らいでしまう。取り残されぽつんと佇んだまま、ようやくティナはエドガーの
言葉をおぼろげに噛み締めた。
 ……そうね。
 普通の女の人なら…その言葉に、きっと何かしらの感情を示すのね。
 でも。
 彼女は小さく目を伏せる。
 私は普通ではない、私は。
 私は、いったい何なんだろう。

「よろしければ、城内をご案内いたしましょうか?」
「え?」
 突然、思考に入り込んでくる控えめな声。いつの間にか、玉座の脇に控えていた衛兵の
片方が側に寄り、すこし頭を屈めてティナの様子をうかがっていた。
「エドガー様はしばらくは戻られません。それまで城内は自由に見せてよいと
言いつかっておりますので、さしつかえなければ」
「…いえ、結構です」
 愛想の無い返事に気を悪くする様子も無く、男はまた元の位置に控える。対照する
位置に立っている衛兵が、からかうように軽い哀れみを含めた笑みを相方に向けた。
 部屋を出ようとして、ふいにティナは立ち止まる。
「……あの…」
「なんでしょうか?」
 つっかえた言葉を押し出すように、唾を飲む。
「…やっぱり……、案内していただけますか」
 二人の衛兵は少し驚いたように顔を見合わせ、けれどすぐに「喜んで」と応じた。
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