二節 剛の王国5


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セシルが城から出、城壁に上って辺りを見渡すと、
既に城塞の正面の平野は、バロンの軍勢によって埋め尽くされていた。
どう少なく見積もっても一万はいるだろうか。
そしてその大軍を凝視した時、セシルは息を呑んだ。

何故って、彼らの軍勢の三分の二以上はモンスターで占められていたからだ。
それに、鎧を着た兵士達も良く見れば人間ではない。
眼には光が宿っていない代わりに赤く血走り、鎧の隙間から覗く肌はどす黒い。
その軍勢の姿は、昨今のバロンの変貌ぶりを体現しているかのようだ。
人としての誇りや心は失われ、ただ浅ましい欲望のみが残されている。
見るもおぞましい軍勢は、城塞へと歩を進め、攻撃の布陣を整え終えた。

「怯むな!魔物相手に尻込みしてはならない!」
城壁に配置されたモンクの隊列の後ろを歩きながら、セシルが声を限りに叫ぶ。
彼らもまた、異形の軍勢に戦う前から圧倒されていた。
「ファブールのモンク僧の意地を見せろ!醜い獣を地獄へ追い返せ!」
セシルがまた叫ぶと、守備についていたモンク僧たちも喚起の声を上げる。
正直、セシルにはこのバロンの変貌が少しありがたくもあった。
かつての戦友と剣を交えるのには気が引けるのだが、こうまで変わられると躊躇う意味すらないからだ。
剣を抜き、油断無く敵を睨みつけていると、
「投石開始!」という、そう遠くない所からヤンの怒声が聞こえてきた。
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