二節 剛の王国7


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一方、ギルバートは彼らのように敵と戦う事はせず、負傷した者の応急処置に奔走していた。
「しっかり!」
倒れているモンク僧に走り寄ると、「いま楽にしてあげる」といって懐から瓶を取り出し、
中に入った青色の液体を傷口に塗りつける。
これは彼が戦いに備えて調合した即効性、効果ともに優れた痛み止めで、
長旅をするならと今は亡き彼の父が伝授してくれた秘薬でもある。
が、彼の薬をもってしても、このモンク僧はなお苦痛に顔を歪め、呻き声をあげている。
傷はかなり深いようだ。
「手におえない…君達!この人を医務室へ!」
彼が伴っていた数人のモンク僧が手負いを城の医務室へと運んで行くのを少し見守ると、
ギルバートはまた戦場を走り出した。

「誰かそこの人を治療して!急いで!」
その医務室では、ローザが白魔法を駆使して奮闘していた。
ファブールの白魔導師達はバロン出身の彼女ほどの魔力をもっておらず、
次々と運ばれてくる負傷者達に対応しきれないでいる。
リディアがここにいなくて良かった…
女や子供達が避難している地下に設けられた医務室内を走りまわりながら、ローザはふと呟く。
実は彼女も、ローザのように戦いたいと言って聞かなかったのだが、
いくらなんでも子供に戦争を体験させられないとセシルや王、それになにより自分が許さなかった。
この血みどろの医務室を見渡すと、その判断は正しかったように思える。
その時、新たな負傷者の治療に取りかかろうとすると、室内が、いや城内がなにか大きな衝撃に揺れた。
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