二節 剛の王国10


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城壁と二つの城門を捨て三つ目の城門の裏に退却し終わるころには、
モンク僧の数は戦いが始まった頃の半分に減っていた。
そしてやっとの思いで逃げこみ、閉ざした城門が、早くも破城槌によって大きく揺らいでいる。
この門が破られるのも、最早時間の問題だ。
「巻きこんですまぬ!勝ちの目の無い戦いに!」
「いえ、これは私の戦いでもあります!
 それにまだ敗けとは決まっていません!」
弱気になり始めた王にセシルが怒鳴り返すと同時に、門が大きく揺らぎ、破られた。
再び両軍が激突する。
しかし、疲労困憊、満身創痍のモンク達と、疲れ知らずの魔物とでは、押し合いの勝敗はもはや明らかだった。

「地下道に敵が!」
誰かがそう叫ぶのを聞きつけたファブール王後ろを振り返り、
――血走った目で地下への入り口を、国民が避難している地下への入り口を凝視した。
戦いをすり抜けたバロン軍が10匹ほど、その狭い地下道へと侵入して行ったのだ。
…なんとしたこと!
王は独り呟くと正面の軍勢に背を向け、その地下道へと走った。
状況が状況だけに、地下には守備兵が一人もいないのだ。
「ウェッジ!余について参れ!ヤン!お前はここを放棄し、玉座の間にて敵を食い止めよ!」
素早く出された指示を受け、ウェッジが三十ほどのモンクを連れて王に続く。
「しかしそれでは陛下が!」
その場で戦いつづけるヤンが叫ぶが、王たちはすでに地下へと入り、その声は届かなかった。
「退がろうヤン!ここはもうだめだ!」
「くそう!」
ギルバートに肩を掴まれ、ヤンは不承不承ではあったがここからも退却した。
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