二節 剛の王国13


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「……?」
ファブール王は、何が起こったかわからなかった。
それもそのはず、今まで盛んに攻めつづけたバロン軍が、
自分の命を絶とうとするその瞬間に突然動きを止めたのだから。
王は困惑していたが、敵はもっと困惑していたように見えた。
そして挙句の果てに、彼らはあろうことか、勝利を目前にして来た道を引こ返して行った。
倒れた王を忌々しげに睨みながら。

しばらくして、誰かが通路の奥から走ってきた。
「陛下!お怪我を!」
ローザだ。ローザが自分の傷を白魔法で治療している。
「余は大丈夫じゃ。それほど深い傷ではない。しかしこれは一体…?」
「…わかりません」
ローザも一部始終を目にしていたらしく、困惑の眼差しでバロン軍の去った方を眺めている。
「ここまできて引き上げるとは、一体何を…?」
苦しげに起き上がりながら、ウェッジも言う。
その時、ローザは何か予感めいた物を感じていた。
二人を手助けしながら医務室まで連れて行った後、彼女はどうしても、自分がここにいてはいけない気がした。
「…私、少し様子を見てきます。その間、負傷者を頼みますね」
一番近くにいた白魔導師にそういうと、ローザは一目散に医務室を出、地下からの出口へと走り出す。
後ろから名前を呼ぶ声が聞こえたが、大量の負傷者の治療に忙殺され、追いかけてまで彼女を止めようとはしなかった。

一方、セシル達生き残った戦闘要員は、クリスタルを背に最後の防戦体勢を整えていた。
が、おかしい。扉の外がしんと静まり返ったまま、なんの動きも無いのだ。
と、次の瞬間、クリスタルルームの扉が強烈な衝撃を受け、大きく歪んだ。
破城槌の比ではない力だ。
そして数度目の打撃で扉が破壊された時、セシルは大きな驚きと、そして喜びを感じた。
何故なら、封鎖された扉を破壊して姿を現したのは、
他でもない彼の無二の戦友、竜騎士カインだったからである。
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