二節 剛の王国21


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一か八か、セシルは賭けに出た。
「!?」
 カインが天井に足をついた瞬間、セシルは持っていたシャドーブレードを
カインめがけて投げつけた。既に降下の姿勢に入っていたカインは、思わず
剣を槍で弾く。カインの槍の軌道が大きく逸れた。
 今だ。
 セシルは両腕を掲げた。これなら・・カイン、君にも防げない。
 本来、暗黒の力は剣を通してしか放てない。ただ、技を極めたものだけが、
自身の腕から直接それを行使することができる。術者から直に放たれるその威力は
通常のものとは比較にならないが、その反動も並々ではない。少なくとも半日ほどは、
鉛のような重みと引き裂かれるような激痛で、まったく腕が使えなくなる。
 しかし。どのみち自分には、今のカインの猛攻には幾度も耐えられないだろう。
それならば、この一撃にすべてを・・。セシルは目を見開いた。
「すまない、カイン!」

 輝く光の空間を、刹那、暗黒の色が支配した。


「馬鹿な・・」
 戦局を見守っていたヤンは、思わず声を上げた。ギルバートも、信じられない
という表情で、声を失っていた。
 セシルの暗黒波は寸分違わず、襲いかかるカインを捉えていた。勝負がついた。
そう確信し、命中の瞬間、二人は後ろに吹き飛ばされるカインの姿を予想した。
 ・・だが。
 彼らの目に映っていたのは、倒れ込んだセシル、そしてその胸に槍を突きつけ、
満足げに立ち尽くす竜騎士の姿だった。
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