三節 Two of us20


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 いま、ローザの頭には、かつて自分を取り巻いていた日常がありありと浮かんでいる。
 平和だった。安らかだった。ささやかな幸せ、だけどそれだけで十分だった。
 そしてある日、粉々に砕かれてしまった。
 何もかもが突然だった。いったい自分たちがなにをしたというのか。理不尽にも
彼女の当然は奪い去られ、あとには悲しみだけがのこされた。 

 けれど、まだ、一番大切な部分は壊されてはいない。誰にも壊せないのだ。

(カインなら、きっと私の力になってくれるはず────!)

 ローザは必死だ。なぜなら、カインが自分を裏切れば、彼女がずっと守り続けてきた
ものがすべて嘘になってしまう。既に多くを失ってしまった彼女には、それが耐えられない。
 だからローザはカインにすがる。自分に残された最後の真実を証明するために。彼女は
気づいていないが、それはもはやカインへの信頼という形を持っていなかった。
そうでなければ、彼女自身が壊れてしまいそうだけにすぎない。
 しかし、すぐにそんな淡い希望を否定する言葉が彼女につき付けられる。

 とても意外な方向から。 



「下がるんだ・・ローザ!」
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