『おい!』
『・・え?』
『お前、セシルっていうんだろ?』
『あ・・・・う・・うん』
『こんにちはっセシル。ねえ、私ローザっていうの、こっちはカインよ』
『・・こ、こんにちは』
『なんだよ、おとなしいやつだなぁ』
「・・ここは?」
目を開けると、どこかの部屋の天井が映った。前に見たことがある壁の色だった。
ここは確か・・そうだ。
「宿屋・・か?」
周りにはいくつかベッドが見え、自分にも清潔そうな毛布がかけられていた。ベッドの
側には見慣れた自分の鎧が置いてあった。
あたりを見渡しているうちに、ふと自分の足下に寄り添うようにして寝ている、
リディアの姿を認めた。
(看病・・してくれていたのかな)
そっとリディアの頭を腕を撫でると、ちいさく寝息を立てた。疲れているのだろう、
そっとしておこう。
次第に意識がはっきりしはじめる。セシルはまた天井に視線を戻した。
(・・あれから、どうなったんだろうか)
最終更新:2007年12月12日 04:19