三節 Two of us42


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「真の悪に、暗黒剣は通用せん」

 王の言葉が頭をよぎる。
 あのとき、自分の剣が通用しないカインは真の悪になってしまったのだろうか、
そう思って悲しくなったものだった。だが、そう感じている僕はなんだ?
(おいおい、自分のことは棚に上げるのかよ。暗黒騎士サマ?)
 カインの笑い声が聞こえた。そうだ、親友と言いながら彼をためらいなく殺そうと
している僕だって、悪以外の何者でもないじゃないか・・。
 無意識のうちに、セシルは握りしめたデスブリンガーの刃を顔に近づけていた。
剣はセシルを嘲笑うかのように、妖しく黒光りしている。力をこめると、剣先に邪気が
充満しだす。
(僕は、お前と同じなのか・・?)

 セシルは壁にもたれて、腰を下ろした。
 身体を抱え込むようにして顔を伏せ、目を閉じた。郷愁が強くその身を包んでいた。
 明日はバロンに向かう。けれど、彼の知る故郷はもうどこにもないのだ。セシルの
心の底、夢の中にしか。  

 夢の続きが見たかった。
 だが、やがておとずれた浅い眠りがもたらしてくれたのは、ただ暗闇だけだった。






 ────光がほしい。

 やがて、深い暗黒の中で、セシルは決然と立ち上がった。
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