ff6 - 07.5 narche ナルシェ援軍3

 ちなみにロックは、モーグリがガード側の味方につくという可能性はまったく考えて
いない。自称トレジャーハンター(兼・反帝国組織リターナー関係者)にとって、持ち
合わせたロマンとプラス思考は最大の武器なのだ。自分のことをドロボウ扱いする
人々に対して、この主張は今後も続けるつもりである。
 数えてみると11匹のモーグリが、どこから持ち出してきたのかそれぞれ武器を手に
隊列を組んでいる。みなぎる闘志は、言葉を通わせない相手からでも直に伝わって
くる。いつか目にした文献通り、見た目に似合わず獰猛な生き物なのだなと実感し
ながら、群の中のモーグリに目が止まった。
「クポ!」
 周囲のモーグリ達に比べて一回り体格が大きいように見えた。言葉こそ分から
ないが、槍を振って他のモーグリを誘導している姿から察するに、どうやら配置を
指示しているようである。そのことからも、彼がこの群のリーダーなのだろうとは
すぐに見当がついた。
「……クポー」
 リーダーと思われるモーグリのすぐ後ろには、群の中でもひときわ小さなモーグリが
立っていた。リーダー格のモーグリと比べてしまうせいか、よりいっそう小ささが目立つ。
(親子……なのか?)
 そう思ってロックはその2匹の様子を観察するように、無意識のうちに目で追っていた。
3つに分けた隊列の先頭を歩くリーダー格のモーグリのすぐ後ろを、小さなモーグリは
離れずについて歩く。ときおり気遣うように後ろを振り返るリーダーに、小さなモーグリは
頷くように短い首を振って応えた。
 ロックには、残念ながらモーグリの言葉を理解する能力はない。けれどもそんな姿を
見ていると、まるで彼らが“親子”以上の絆で結ばれているように見えるのだ。
「……クポ!」
 ミスリルスピアを担いだリーダー格のモーグリが、槍を掲げる。まるで開戦を告げる
武将のような、とても勇ましい姿である。他のモーグリ達はそれに従うように武器を構えると、
いっせいに前方を見据えた。

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最終更新:2007年12月12日 04:45
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