ff6 - 30 figaro


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 フィガロ砂漠のほぼ中央に位置するこの城で、過酷な任務の1つが門衛だと
言えるかも知れない。
 頭上からは容赦なく照りつける太陽と、砂漠を渡り熱せられた風に晒されながら
正門横に立ち続けている彼らは、入城者にとって最初に目に入る存在だ。そのため
どんなに体力を消耗していても、立ち居振る舞いに気を配らなければならない。
 もちろん、彼らに与えられた主たる任務は外敵の発見に他ならないのだが。
とはいえこのフィガロ城における外敵と言えば、吹き荒れる砂嵐と灼熱の日差し
ぐらいのものだった。
「……ん?」
 門衛は砂丘を降りてくる人影に気づき身構える。商人かとも思ったが、それに
しては様子が変だ。目を凝らして見てみれば、陽炎に揺れる人影は3つある。
それが帝国兵と気づくのは、それから少し遅れての事である。
(……ケフカ……!)
 3つの人影のうち、2つが帝国兵だと気づくよりもまず先に気づくべきだったと
内心で舌打ちした門衛だったが、それ以上に厄介な人物が来城したものだと、
今度は本当に舌打ちししそうになるのをどうにか堪え、顔を上げた。
 避けられない対峙に備えるべく、彼は呼吸を整える。確かめるように携えた槍を
強く握った。
(南方大陸3国を滅ぼしたという……ガストラ帝国の……魔導士)
 ケフカという名に覚えはあったし、実際に彼自身がケフカと顔を合わせるのは今日が
初めてではない。それでも彼は、ケフカの姿を目に焼き付けるようにして、近づいて
くる彼らから視線を離さずにいた。
 同時に砂漠の砂を運んでくる熱風とは別に、イヤな風を肌に感じた。それでも
表情ひとつ変えることなく、門衛は自分の横を通り過ぎようとする一行に声をかけた。
「ケフカさま。今日はいったい何の……」
 門衛の言葉を遮ったのは、道化師風の男――ケフカ自身だった。
「どけ!!」
 歩きづらい砂の上を長時間歩かされたせいもあって、ケフカは不愉快きわまりない
と言わんばかりに門衛を突き飛ばすと、そのままズカズカと城の中へ入っていく。
 フィガロは帝国との同盟関係にあり、どんなに不遜な態度であっても帝国魔導士の
ケフカは外敵ではなく賓客なのだ。よって、これは侵入ではない。
 突然でしかも無抵抗の状態で突き飛ばされた衝撃で、城壁に背中を強打しそのまま
体勢を崩した門衛だったが、彼にはそれ以上どうすることもできない。むやみに槍先を
向ければ、これ見よがしに帝国から何を押しつけられるか分かった物ではない。
 恐らく自分の視認よりも先に、塔の兵士がこの様子を伝えているだろう。
(後は、王の判断に委ねよう……)
 門衛は開け放たれた城門を見上げた。やがて槍を拾い上げて立ち上がると、何事も
なかったように再び元の配置についた。
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