「はじまるよ③」


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ティーダはアーロンの後を追い掛け、まだ崩れていない長い長いフリーウェイを走っていた。周りの人達の向かう流れに逆らうように、二人は走っていた。ティーダにはそんな事は気に掛ける余裕が無かった。
ただただ目の前の男を追い掛けていた。

どれぐらいの距離を走ってからだろうか。ティーダは周りの建物に目を向けた。炎上し、黒煙を上げている。街が悲鳴をあげている様に見えた。
その時だった。
ティーダの前にどこかで見た少年が立っていた。目深に被ったフード…この街の住民にしては変わった服装…ティーダは思い出した。試合前、家の前で見掛けた少年だ。
ティーダは一息吐き、その少年に声を掛けようと彼に歩み寄った。
その瞬間空気が変わるのに気付いたティーダは何事かと思い、周りを振り返った。
目に映る怪異に言葉を失った。
逃げていた住民が石の様に固まっている。建物から立ち込めていた黒煙も、まるで建物の一部の様にその場にとどまっている。
驚くのは当たり前だ。17年間生きてきた中で一度もなかったのだから。
呆然と立ち尽くしていたティーダに後ろからフードの少年が声を掛けた。
「はじまるよ」

ティーダはハッとした面持ちで振り返る。
少年は続けた。
「泣かないで」

言葉の意味が分からず立ちすくしていたティーダの目の前から少年はいつの間にか消えていた。
先程まで固まっていた街の様子も、元に戻っていた。
依然呆然としていたティーダは我に帰り、途端に走り出した。
「待てよ!!」目の前の先のアーロンを追い掛けて…
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